ひびつみ
COLUMN

ほめ日記とは
書き方と例文、自分をほめるのが白々しいときの始め方

2026年6月 ・ ひびつみ開発チーム

ほめ日記は、その名のとおり他人ではなく、自分をほめて書く日記です。やってみると分かりますが、この日記には最初に小さな壁があります。「自分をほめるのが、気恥ずかしい。白々しい」。

この記事では基本の書き方と例文に加えて、解説記事があまり扱わないこの壁——白々しさ問題——への、現実的な入り方を書きます。

ほめ日記とは — 自分をほめる、と決めて書く日記

ほめ日記は、セルフエスティーム(自己肯定感)をテーマに活動してきた手塚千砂子氏が提唱したメソッドで、「ほめ日記」という名前は商標登録もされています(「褒め日記」と漢字で書かれることもあります)。書籍も多数あり、寝る前などに数分、その日の自分をほめる文を書く、というのが基本の形です。

特徴的なのは、ほめる対象の広さです。提唱者のメソッドでは、成果や行動だけでなく、努力の過程、我慢できたこと、性格のよいところ、そして体が今日も働いてくれたことまでが、ほめの対象になります。「何かを成し遂げた日」しか書けない日記ではない、という設計です。

基本の書き方 — 「説明」で終わらせず、ひと言を足す

書き方の核はひとつだけです。出来事の説明で終わらせず、自分に向けたひと言を足すこと。

量は1日2〜3個からで十分です。例文をもう少し並べておきます。

苦手な電話を後回しにしなかった、すごい / 怒りそうな場面で一呼吸おけた / 今日も心臓が動いてくれた、ありがとう / 疲れてたのに自炊した、立派 / 早めに寝ると決めた判断がいい / 何もしない休養を自分に許せた / 嫌なことがあったのに、ちゃんと帰ってきて寝ようとしている

白々しく感じるのは、正常な反応

さて、本題です。自分をほめる文を書こうとして、手が止まる。書いても「嘘くさい」と感じる。これは、あなたが斜に構えているからではありません。長年「自分に厳しい言葉」で回ってきた頭にとって、ほめ言葉は外国語のようなものだからです。急に流暢には話せません。

このつまずきに対して、「とにかく書けば慣れる」という根性論でも、「だからほめ日記は無意味」という全否定でもない、あいだの道があります。評価の言葉を、事実から段階的に立ち上げる方法です。

  1. 第1段階: 事実だけ書く。「散歩した」「資料を出した」「早く寝た」。ほめ言葉はまだ要りません。嘘の感覚もゼロです。
  2. 第2段階: 事実に「ちゃんと」を足す。「ちゃんと外に出た」「ちゃんと出した」。評価というより確認の言葉なので、白々しくなりにくい。
  3. 第3段階: ほめ言葉を足す。「えらい」「よくやった」。第2段階に慣れた頃には、この一言の抵抗がかなり下がっています。

ポイントは、どの段階も事実が土台になっていることです。事実でないことを書く工程がないので、「自分に嘘をついている」感覚が生まれません。自分への言葉づかいを変える話としては、セルフコンパッションの記事も同じ問題を扱っています。

よかったこと日記との違い — 内側か、外側か

よく似た型によかったこと日記があります。違いは、目を向ける先です。よかったこと日記は「今日あったよい出来事」(外側)を拾い、ほめ日記は「今日の自分」(内側)をほめます。

自分をほめることへの抵抗が強い人は、外側から拾うよかったこと日記のほうが入りやすいことが多いです。逆に、「いいことはあったけど、自分はだめだった」と感じがちな人には、内側に向かうほめ日記の意味が大きい。どちらが上ということはなく、入りやすいほうから始めて構いません。

続け方 — 数を義務にしない

続け方の注意はひとつだけです。「毎日3個」を義務にしないこと。書けない日に3個を絞り出すと、ほめるはずの時間が自分への尋問に変わります。1個でいい。ゼロの日は、気分を選ぶだけの記録に切り替えていい。寝る前のすでにある習慣の隣に置いて、軽く回すのが長持ちのコツです。

手書きのノートがもともとのスタイルですが、続かなければ形は変えて構いません。タップ式の記録で「できたこと」をタグとして残すのは、第1段階(事実だけ書く)のごく軽い形でもあります。

よくある質問

Q. ほめることが見つからない日は、どうすればいいですか?

提唱者のメソッドでは、ほめる対象は出来事だけではありません。努力の過程、やらずに我慢できたこと、体が今日も働いてくれたこと——そこまで広げると、ゼロの日はほぼなくなります。それでも出ない日は、1個でいいし、「今日は書かない」でも構いません。数を義務にしないことが、続ける側の工夫です。

Q. 効果は、どのくらいで感じられますか?

「2週間ほどで気分の変化を感じた」という体験談がよく紹介されますが、感じ方には個人差があります。自分への言葉づかいは長年の癖なので、数週間単位の反復でゆっくり変わるものと考えておくのが現実的です。即効性を測るより、まず2週間、軽い形で続けてみてください。

Q. よかったこと日記とは、どちらがいいですか?

ほめる対象が違います。ほめ日記は「自分自身」(内側)に、よかったこと日記は「出来事」(外側)に目を向ける型です。自分をほめることに強い抵抗がある人は、出来事を拾うよかったこと日記のほうが入りやすいことが多いです。どちらも続けやすいほうが正解で、併用しても構いません。

Q. ほめ日記は「効果がない」とも聞きます。本当ですか?

「効果がない」と感じる人の多くは、ほめ言葉が白々しくて続かなかったか、数日で大きな変化を期待してやめてしまったケースです。自分への言葉づかいは長年の癖なので、変わるとしても数週間単位でゆっくり、というのが現実的な見方です。本記事の「事実から段階的に立ち上げる」入り方は白々しさを避けやすいので、まず2週間、軽い形で試してみるのがおすすめです。なお、気分の落ち込みが強い・長く続く場合は、日記の工夫より先に、医療機関や相談窓口に頼ることを考えてください。

ひびつみ — ほめ言葉の手前の、「できた事実」がたまる日記

ひびつみは、ほめ言葉を言わないアプリです。代わりに、気分とやったことをタップで選ぶだけで「散歩した」「自炊した」という事実が積み木になって積み上がります。白々しさゼロの第1段階として、ほめ日記の入り口にどうぞ。

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