ひびつみ
COLUMN

3行日記の書き方
1日3行だから続く、いちばん小さな日記の型

2026年6月 ・ ひびつみ開発チーム

日記を続けたいけれど、長い文章を書くのはしんどい。そんな人の間で長く定番になっているのが「3行日記」です。名前のとおり、1日の記録を3行で終わらせる型。シンプルですが、続けやすさには理由があります。この記事では、3行日記がなぜ続きやすいのか、代表的な型と書き方のコツ、そして3行すら書けない日のためのさらに軽い形まで紹介します。

3行日記が続きやすいのは、「終わりが見えている」から

ふつうの日記がしんどいのは、書く量に上限がないからです。白いページを前にすると、「ちゃんと書かなければ」という気持ちが働いて、書き始める前から疲れてしまう。逆に言えば、書く前から終わりが見えている形式は続きやすい。3行日記の良さは、ほとんどこの一点に集約されます。

3行というのは、時間にすればせいぜい1、2分です。どんなに疲れた日でも「3行なら」と思える。しかも3つの枠があるので、白紙を前に「何を書こう」と迷う時間も短くて済みます。量の上限と、内容の道しるべ。このふたつがそろっているのが、3行日記という型です。

代表的な3つの型

3行日記にはいくつかの流儀があります。よく知られているものを3つ挙げます。どれが正解ということはないので、書きやすそうなものから試してみてください。

  1. 「うまくいかなかったこと・心が動いたこと・明日やること」型。順天堂大学の小林弘幸医師が提唱した型(原書の言葉では「今日いちばん失敗したこと」「今日いちばん感動したこと」「明日の目標」)として、いちばん広く知られています。1行目で今日を手放し、2行目で良かった瞬間を拾い、3行目で明日に橋を架ける。嫌なことで1日を終わらせない順番に意味があり、寝る前に手書きで書くことで自律神経が整うとされています(『「3行日記」を書くと、なぜ健康になれるのか?』ほか)。
  2. 「事実・気づき・ひとこと」型。1行目は出来事をそのまま(「午後、急な会議が入った」)、2行目はそこから思ったこと、3行目は自由に。仕事の振り返りに近く、後から読み返したときに状況がわかりやすいのが利点です。
  3. 「よかったことを3つ」型。内容を「よかったこと」に固定する型。心理学の「Three Good Things」という方法が元になっていて、迷いが少なく、夜に書くと1日の見え方が少し変わります。ただし、しんどい週には3つ絞り出すのが負担になることもあるので、「1つでもいい」と決めておくのがおすすめです。詳しくはよかったこと日記の記事にまとめています。

ひとつ補足を。1の型の「うまくいかなかったこと」を書くと、かえって嫌な気分を引きずってしまう——そういう人は意外と多くいます。その場合は無理に1の型を守らず、2の事実型や3のよかったこと型に変えて構いません。型は道具であって、決まりではありません。

例文 — 3つの型で同じ1日を書いてみる

同じ「ふつうの平日」を、3つの型でそれぞれ書くとこうなります。この程度で十分、という水準の参考にしてください。

型1(小林式)

昼の会議で発言できなかった。
帰り道の風が涼しくて気持ちよかった。
明日は資料を午前中に終わらせる。

型2(事実・気づき・ひとこと)

午後、急な仕事が入って予定が崩れた。
崩れても意外と何とかなった。
抱え込みすぎなくていいのかもしれない。

型3(よかったこと3つ)

朝のコーヒーがうまかった。
頼んだ件の返事がすぐ来た。
早めに布団に入れた。

続けるための、小さなコツ3つ

3行日記の弱点も、正直に

3行日記にも苦手なことがあります。それは読み返して「変化」を見ることです。3行×90日分は270行の文章になり、読み返すのはそれなりの仕事です。そして文章は数えられないので、「最近、調子が上向いているのか」「何があった週に気分が良いのか」といった傾向は、読み返してもなかなか見えてきません。

もし「書くこと」より「自分の変化を知ること」が目的なら、3行のうち1行を数えられる形にしておく手があります。たとえば気分を5段階の数字で添えておくだけでも、後から「今月の平均は3.2、先月より少し高い」と振り返れるようになります。書く日記と数える記録は、組み合わせられます。数える記録の側のやり方は気分の記録の記事にまとめています。

手書きじゃないと、だめなのか

3行日記の解説の多くは手書きをすすめています。たしかに、ペンを持ってゆっくり文字を書く時間そのものに、1日を区切る儀式としての良さがあります。寝る前の数分、画面から離れられるのも利点です。

ただ、正直なところを言えば、手書きかどうかより、続くかどうかのほうがずっと大事です。ノートを開くのが億劫で3日でやめた手書きより、通勤電車で打てて半年続いたアプリのほうが、得られるものは多い。アプリにはリマインダーと、たまった記録を集計できる強みもあります。手書きの儀式が性に合う人は紙で、忘れっぽい人・読み返して傾向を見たい人はアプリで。日記アプリの選び方も参考にしてください。

3行も書けない日のために

最後に、いちばん大事な保険の話です。3行日記は軽い型ですが、それでも「書く」ことに変わりはなく、何も書きたくない日は来ます。そこで途切れて全部やめてしまうのが、いちばんもったいない。

そういう日のために、最低ラインをさらに下げた形を決めておくのがおすすめです。気分をひとつ選ぶだけ。やったことをタップするだけ。それなら10秒で終わり、記録の連続は途切れません。3行書ける日は3行、書けない日は点だけ。その日の元気に合わせて記録の重さを変えられる仕組みのほうが、結局長く続きやすいはずです。

よくある質問

Q. 3行日記はスマホやアプリで書いてもいいですか?

いいと思います。手書きには1日を区切る儀式としての良さがありますが、続かなければ意味がありません。手書きの時間が性に合う人は紙で、忘れっぽい人や記録の傾向をあとから見たい人はアプリで。自分が続くほうを選んでください。

Q. 「うまくいかなかったこと」を書くと、引きずりませんか?

引きずる人はいます。その場合は1行目を「事実」(起きたことをそのまま)に置き換えるか、「よかったこと3つ」型に変えて構いません。型は続けるための道具なので、自分に合わせて作り変えていいものです。書いたあとに毎回気分が沈むなら、その型はやめどきです。

Q. 書くことがない日は、どうすればいいですか?

1行で十分です。「特に何もない日だった」も立派な記録で、あとから読むと「何もない日が多い月だった」という情報になります。3行はノルマではなく上限と考えてください。

ひびつみ — 3行も書けない日は、タップだけ

気分5段階とやったことタグを選ぶだけ、10秒で終わる日記アプリを作りました。書きたい日は一言メモも残せます。たまった記録から「散歩があった日は、気分が+0.9」のような、あなたのデータの事実が返ってきます。励ましません。採点もしません。

ひびつみを見てみる →
ほかのコラム

日記の書き方 — シンプルな5つの型と、続けるための小さなルール 一言日記のすすめ — 10秒で終わる日記の続け方 三日坊主は、直さなくていい — 意志力に頼らない「続く仕組み」の作り方 感謝日記の書き方 — 三日坊主にならない続け方 コラム一覧へ