「日記の書き方」を調べる人は、書きたい気持ちはもうあるのに、形が決まらずに足踏みしている人だと思います。何を書けばいいのか。どれくらい書けばいいのか。毎日書かないとだめなのか。
先に結論を言うと、日記の書き方に正解はありません。読者がいないのだから、当然です。ただ、「続きやすい形」には、はっきりした共通点があります。この記事では、シンプルで続けやすい型を5つ、カタログのように並べます。気に入ったものをひとつ選んで、今日から始めてください。
私たちは日記アプリのレビューを1,157件読んで、続いた人と挫折した人の違いを調べたことがあります。挫折のパターンで目立ったのは、初日に気合いの入った長文を書いてしまうことでした。初日の出来が基準になると、2日目からは毎日「初日より手抜きの自分」と向き合うことになり、書くことが少しずつ重くなっていきます。
日記は作文ではありません。文章の出来も、量も、誤字も、評価する人はいません。始める日こそ、わざと短く。これだけ覚えておけば、型はどれを選んでも大丈夫です。
「ラーメンがうまかった」「会議長すぎ」「よく寝た」。1日を一言で残す、いちばん身軽な型です。考える余地がないことが、そのまま続く理由になります。何を書くか迷ったら、出来事ではなく体や気分の状態を書くのがコツです。
1行目に今日あった事実、2行目に思ったこと、3行目に明日のことをひとつ。3行という上限が決まっているので、書きすぎを構造的に防げます。寝る前に書く型として定番です。
今日のよかったことを3つ、箇条書きにするだけの型です。「コーヒーがおいしかった」程度の小ささでかまいません。文章を組み立てる必要がなく、探す目が自然と良いことに向くのが特徴です。3つ見つからない日は1つでも成立とする、と決めておくと続きます。
今日の気分を5段階からひとつ、やったことをタグでいくつか選ぶ。文章を1文字も書かない型です。最大の利点は、いちばん疲れた日でも10秒で成立すること。そして記録が選択式だと数えられるので、あとから「散歩があった日は気分が高い」のようなパターンを集計できます。書きたい日だけ一言添えれば、型①との合わせ技になります。
1日1枚、写真を撮るだけの型です。夕飯でも空でも机の上でもいい。言葉にする力が残っていない時期でも続けられて、見返したときの情報量は意外なほど多い。文字の日記に戻る前の助走としても使えます。
どの型を選んでも、「今日は書くことがない」という日は来ます。そういう日のために、状況別の問いを置いておきます。答えは一言で十分です。
今日の気分を、ひとつ選ぶなら? / いちばんマシだった時間帯は? / 食べたものでいちばん覚えているのは? / よく眠れた?
「疲れた」とだけ書いて閉じる(それで成立) / 疲れているのは頭? 体? / 明日のいちばん小さな楽しみは?
今日いちばん重かった仕事は? / 少しでも救われた瞬間は? / 明日の自分への申し送りは?
時間を何に使った? / それは予定どおり? / 今日の「もう一回やりたいこと」は?
「とにかく——」 / 「意外だったのは——」 / 「明日の自分へ。」 / 「特になし。ただ——」
もっと具体的な文例がほしい人のために、一言日記の記事に大人の例文を40個並べています。
最後にひとつ、選ぶときの視点を足します。日記の価値の半分は、書いた瞬間ではなく、あとで読み返すときに来ます。だから「読み返しやすい型か」で選ぶのは、理にかなっています。
長文の日記は読み返すのにも体力が要ります。一言日記や3行日記は、ぱらぱらと見返せる。選択式の記録は、さらに一歩進んで「数字として比べられる」——先週との比較や、気分と行動の組み合わせのような、読み返しでは見つけにくいパターンまで取り出せます。
あとで読み返して価値が出る書き方には、小さなコツが3つあります。固有名詞を残す(「友達とご飯」より「ミカと中華」のほうが、3年後の情報量がまるで違います)。事実と感情を分けて書く(事実は何年後に読んでも安全で、感情の長文は重くなりがちです)。そして数えられる要素をひとつ入れる(気分の5段階だけでも、あとから傾向が見えます)。読み返し方そのものは日記の読み返し方にまとめています。
うまく書くことより、軽く書いて、長く続けて、ときどき見返すこと。日記の見返りは、ほとんどそこから来ます。
正解はありませんが、迷うなら「今日の気分」と「やったこと」のふたつだけで始めてください。これだけで記録として機能します。書くことがない日は本文のネタ帳から問いをひとつ選ぶか、「特になし」と書いて閉じれば十分です。
毎日でなくて大丈夫です。週2〜3回でも、数ヶ月たまれば読み返す価値は十分に出ます。大事なのは連続日数ではなく合計日数です。続かないのは意志の問題ではなく設計の問題なので、書けない日がある前提の軽い型を選んでください。
書く感触や自由度を楽しみたいなら手書き、続けやすさと「あとから集計して傾向を見ること」を重視するならアプリが向いています。忘れやすい人にはリマインダーのあるアプリ、書く時間そのものを楽しみたい人には紙が合います。系統ごとの違いは日記アプリの選び方にまとめています。
気分とやったことをタップで選ぶだけ、10秒の日記アプリです。一言は書きたい日だけ。たまった記録からは「散歩があった日は、気分が+0.9」のような、あなたのデータの事実だけが返ってきます。励ましません。採点もしません。
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